2007年1月29日 (月)

オフの仕事

“大暖冬”とはいえ、まだまだ寒い日本ですが、楽しいゴルフしてますか? 日本のツアー開幕はまだ先ですが、アメリカでは、今シーズン初登場のT.ウッズが昨年からの米ツアー連勝数を7に伸ばしました。彼の進化は止まりませんね。

ところで、今の季節に“トーナメントプロデューサー”は何をしているのか? を、今日は少しお話しましょう。

2月に入ると、野球選手のようにプロゴルファーも本格的なトレーニングに入るようですが、我々の仕事も、1月の中旬から2月は、ある意味では重要な季節なのです。というのは、今の時期にトーナメント用の「コースセッティング」を行う必要があるからです。春のトーナメントはもちろんのこと、夏から秋にかけてのトーナメントでも、今の時期にフェアウェイのラインやラフの状態などを決めて、コース側のグリーンキーパー達と打合せをする重要な季節なのです。

まだまだ芝生が眠っている今の時期にコースのセッティングを決め、コース側にお願いすることで、トーナメントでは思い描いたセッティングに実現させるのも、プロデューサーの仕事の一つなのです。1月中に、既に3コースほど視察&ミーティングに行ってきました。プロの技術・筋力面の向上(用具の向上?)や、昨年の反省などをふまえ、1ホール毎、検証していきます。特に終盤のテレビ中継ホールの4~5ホールでは、トーナメントを盛り上げるドラマを頭の中で描きながら考えていくことになります。選手たちが1打の重みを実感しながらプレーすることになるセッティングを考えているのです。

ティインググラウンドを変更することもあります。それは単に距離を伸ばすということではなく、どのティを使用することで、どのようなレベルの戦略がそのホールで生まれるのか? そしてそれが、そのトーナメントの流れの中でどういう意味を持ってくるのか? ということを考えるわけです。実際のトーナメントでは、もちろん思った通りにならないことのほうが多いのですが、少しでもレベルの高いトーナメント、面白いトーナメントを作るために、今の季節は実は重要な時期なのです。

ゴルフコース以外でも打合せが始まっています。今年のトーナメントはどのようなコンセプトで作っていくのか? 昨年の反省点を今年はどのように改善すればいいのか? などなど。もちろんポスターなどのPR戦略も早々にスタートすることになります。

約1年をかけて様々な角度からトーナメントを見直し、少しでも進化させていくことが“トーナメントプロデューサー”の重要な仕事なのです。日本のシーズン開幕はまだ先ですが、今年も楽しみにしてください!

2007年1月29日 (月)|固定リンク

ソニーオープンから帰国すると、案の定、ゴルフ好きの方々から、タッド・フジカワ君のことを聞かれる日々が続きました。ゴルフファンならきっと、関心を持たれた以上に、応援をしていたのでは? とにかく、愛らしい。ガッツポーズなどの仕種だけでなく、メディアに対する受け答えも、本当に可愛いゴルファーでした。

タッド君は日系4世の父親と3世の母親の間に生まれた16歳の地元ハワイのアマチュア選手。早産のため、生まれたときは体重わずか1ポンドといいますから、500グラム程度の未熟児で、医者には助かる確率は50%前後と言われたそうです。そのために身体が弱く、その弱い身体を鍛える目的で、幼い頃は柔道を習っていました。すると、8歳のときには、その世代の全米チャンピオンになりました。その後、12歳になってゴルフを始めると、これもまたたく間に上達。昨年は15歳で全米オープンの予選を通過して本戦に出場。アメリカでは、ちょっとした話題の選手になっていました。

 今大会はマンデー・トーナメントを勝ち抜いての出場でしたが、2日目に66の好スコアを出して、予選を通過。米ツアーの予選通過年齢で史上2番目の若さ、近代の米ツアーでは最年少での予選通過となったのでした(米ツアーの最年少予選通過記録は50年まえの1957年に作られたもの)。

彼の活躍は、日本でも一部スポーツ紙で大きく取り上げられたようです。もちろん、地元ハワイでは連日、新聞の一面(スポーツ紙ではなく、立派なクオリティ・ペーパー)を飾るヒーローでした。見出しには「フジカワがゴルフの歴史を変えつつある」という言葉が踊っていました。

彼がそれほどの人気を集めたのは、単に16歳のアマチュア、しかも154センチの小柄な体に、あどけなさの残る表情が魅力的だから、というだけではなかったように思います。彼のゴルフには、今のプロたちにないすがすがしさ、見ている者を元気にさせる“何か”があったからだと思います。そして、その“何か”とは、彼が心からゴルフが好きで、その好きなゴルフを目いっぱい競い合える喜びから来ているような気がします。

 彼はインタビューに、「僕はお金のためにプレーしているんじゃない。僕は、自分のペストのプレーができればいいんです」、あるいは「プロに混じってこんな素晴らしい経験ができるなんて、最高の気分です。皆にもこの気分を味合わせてあげたい」と答えていました。そこには、アマチュアといっても将来プロになることを考えているアマチュアではない、純粋にゴルフが好きでプレーしている、本来のアマチュアの姿があったような気がします。

日本にも、上手いジュニアは確かに増えてきました。でも、彼のように、純粋にゴルフが好きで、それゆえ誰もが応援したくなるようなジュニアは、果たしてどれほどいるのでしょうか?

 試合後のパーティで、少し彼と話をすることができました。ところが、その間も大勢の人が彼のもとにやって来ては、並んで写真を撮ることをリクエストしました。最初彼は椅子に座ったまま、それに応じようとしたところ、そばにいた母親が「タッド、失礼でしょう。ちゃんと立って、並んで写してもらいなさい」と注意をしたのです。すると、タッド君はすぐさま立ち上がると、「失礼しました」と一言謝ってから、笑顔でカメラにおさまり、撮影後はきちんの感謝の言葉を述べ、握手をしていました。それは、何十人にも、です。

 そうした姿を、日本のジュニアたちに見せたい。私は、そう思いました。

 なんでも、彼には尾道に親戚がいるそうで、その親戚を訪ねる機会があれば、「そのときに日本でもプレーしてみたい」と言ってくれました。日本でタッド・フジカワ君のプレーが見られる可能性はありそうです。そのときを期待しましょう。

2007年1月24日 (水)|固定リンク

2007年1月15日 (月)

SONY OPEN IN HAWAII

2007年のトーナメントシーズンも先週のハワイ・マウイ島のメルセデス選手権からアメリカPGAツアーは開幕しました。そして今週のハワイ・オアフ島のワイアラエCCで開催された”SONY OPEN IN HAWAII”がフルフィールドの開幕戦となりました。常夏のハワイで開催されているこのトーナメントは、リゾートの素晴らしい雰囲気の中で熱戦が繰り広げられました。フジテレビ系列での放送は見ていただけましたか?

結果は、ご存知の通り、1964年生まれの42歳。P.ゴイドスが14アンダーで11年ぶりのツアー2勝目を飾りました。

今年のSONY OPENは何と言っても16歳になったばかりの地元のアマチュア”タッド・フジカワ”の活躍一色の大会だったのではないでしょうか?ツアー史上2番目の若さで見事に予選を通過した、タッド・フジカワは、決勝ラウンドに入っても素晴らしいプレーを見せてくれました。小柄な体から繰り出すビッグドライブやグリーン上でのガッツポーズはギャラリーの心をすっかりつかんでしまいました。地元の新聞では、毎日のように1面を飾り、アメリカのゴルフチャンネルでも彼を中心に番組が作られていたほどです。「かわいい!」といっては失礼かもしれませんが、本当に気持ちの良い少年が見事なプレーを見せてくれました。今日はさすがに思うようにスコアは伸びませんでしたが、最終18番では大勢のギャラリーが立ち上がって大きな拍手で彼を迎えました。今日一緒にプレーしていた、J.フューリックも拍手して、先にグリーンへ行かせたほどの大きな声援が18番ホールで響いていました。最終結果は5アンダーの20位タイ。16歳のアマチュア選手としては本当に立派な成績ではないでしょうか。

それにしても、16歳らしい笑顔と爽やかな彼のプレーには本当に感動しました。今年のSONY OPENは「タッド・フジカワ」一色と言ってもよいくらいでした。ホールアウト後、彼と話をするチャンスがあったので少し話をしてきましたので、次の機会にまた彼についてお話したいと思います。

ハワイという日本人には非常に馴染みのあるリゾートでのトーナメントでしたが、私も楽しくハワイでの仕事をさせていただきました。アメリカのPGAツアーは、”FEDEX CUP”という新しいシステムがはじまりました。この辺も次回に詳しくお話していきたいと思います。

2007年。今年もいろいろなお話をしていくつもりです。お楽しみに!

Sony

2007年1月15日 (月)|固定リンク

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