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Sports@nifty > スポーツレポート > 戸張捷のゴルフ特集 > 今年で幕を閉じる ”サントリーオープン”
この特集は、ゴルフプロデューサーでありゴルフキャスターである戸張捷が、国内のゴルフトーナメントはもちろん海外のゴルフトーナメントやゴルフ事情などをお伝えいたします。トーナメントの舞台裏やプロの内緒の話など戸張捷ならではの視点でお伝えする予定です。
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戸張捷のゴルフ特集

今年で幕を閉じる ”サントリーオープン”

ご存じのことでしょうが、現在開催中のサントリーオープンは第35回の今大会をもって、歴史の幕を閉じることになりました。

国内ツアーの揺籃期から隆盛と、国内ツアーをリードし続けた、ツアーを代表する人気トーナメントです。

私にとっては、同じく1973年に始まったフジサンケイクラシックとともに、スタート時からトーナメント・ディレクター、そしてプロデューサーとして携わってきた大会。語り始めたら切りがないくらい、たくさんの思い出のあり、その終焉は簡単に言葉にできないほど、感慨深いものがあります。

サントリーオープンは、もともと広告代理店の電通と日本テレビの提案により、サントリーの鳥井道夫副社長(当時、現名誉会長)を中心に企画された大会で、当初から一般庶民が楽しめる「見るスポーツ」「メディア・スポーツ」になるよう徹底して作り上げられた大会でした。当時のゴルフトーナメントは、スポーツイベントというよりも競技会の色彩が強く、またギャラリーもゴルフを知っている人が来てくれればいいといったスタンスで運営されていました。

ところが、この大会はゴルフの楽しさをもっと多くの人に知ってもらうために、トーナメントで何ができるかをまず考えて作られたのでした。その結果、テレビで長時間全国中継されることを前提に、ゴルフをよく知らない人にも楽しんでもらえるよう、「見るスポーツ」「メディア・スポーツ」としてのトーナメントが熟考されたのです。

そのため、鳥井副社長らは、大会を始めるにあたり米ツアーを視察。そこで初めて国内トーナメントに「チャリティ」という概念がもたらされたのでした。

もともとサントリーには「社会に奉仕する」という企業理念があり、当時から企業メセナに理解のあった会社です。ですから、「チャリティ」は、最初から大会の目的に掲げられたのでした。

当時、他のスポンサー・トーナメントでもプロアマ戦は行われていましたが、多くは主催企業の接待イベントで、ゲストは「アゴ足」付き(一部有名人はギャランティまで払って)招待されるというのが一般的でした。

ところが、サントリーオープンはそうした招待はせず、逆に出場するセレブたち(文化・芸術・芸能界等のセレブリティを多数集めたプロアマー-サントリーオープンでは、「アマプロ」と称しています--も、この大会が始まりです)からチャリティの寄贈を募り、それらを会場でオークションにかけ、チャリティ募金にしています。

また、第1回大会にはトム・ワトソンやピーター・トムソンが招待出場したように、例年、世界のビッグネームや若手の注目選手を招待し、ファンの注目を集めた大会でもありました。

「メディア・スポーツ」「チャリティ」「セレブ出場のプロアマ」「海外有力選手の招待出場」……。

こうしたコンセプトや企画のもと、サントリーというお洒落感のある一流企業が主催したサントリーオープンは、日本のゴルフ界にとって新しい一ページとなり、その後の“ゴルフの大衆化”に大きく寄与したことは間違いありません。

そして、この大会の成功が、その後の国内男子ツアーの隆盛をもたらしたのでした。

創設時からこの大会にかかわれたことに対し、心から感謝するとともに、誇りに思っています。ファンの皆さんにも、丸山茂樹が米ツアーから急きょ、帰国参戦中の今年の大会は、是非とも注目して観戦していただければと思います。

大会の終了は誠に残念ですが、ゴルフ界に生きるものとして、過去を振り向いてばかりはいられません。ひとつの伝統の終焉は、新しい時代の始まりでもあるはずです。男子ツアーは厳しい時代を迎えそうですが、とにかく新たな創生の歴史を作っていかなければなりません。


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