2012年10月 2日 (火)

ライダーカップを終えて・・・・

ライダーカップが終わった。

 

どうしてあんなに食い入るように見てしまうのだろう。そして我が日本には何の関係も無い、しかも賞金も無く、名誉だけを賭けた試合なのに、私達までもが興奮するのだろうか。アメリカサイドでもなく、ヨーロッパ贔屓でもない。それでも最終日のシングルスの最終ホールでの、手が震えるようなパットを見ていると、こちらまで思わず息を止めている。

今年調子の出ていなかったマーティン・カイマーが1,5メートルのパーパットを決めて、コースに一組だけ残っているタイガー・ウッズ対モリナリのマッチでモリナリが負けても全体のポイントで引き分け、つまりカップはヨーロッパチームがキープする事が決定した瞬間、シカゴ郊外のメダイナCCはほんの僅かな喜びの拍手、歓声と、圧倒的な呻きとも悲鳴ともつかない響きに包まれた。

ゴルフの世界には、「4大メジャー」と言われる、4つのメジャートーナメントがある。

マスターズ・全米オープン・全英オープン・全米プロ。

プレイヤーにとっては夢のタイトルであり、最高の栄誉。

しかし、すべては、選手個人が自身のために戦う大会であり、国・地域の誇りや威信をかける大会ではない。

アメリカ対ヨーロッパの対抗戦である、ライダーカップそれぞれ12人の代表選手が賞金のない戦いに全身全霊で臨む団体戦だ。

選手達は、国又は地域を脊中に背負う。メジャーのように高額な賞金も無い。名誉と意地の為に闘う。自分1人の為ではない、チームの為に必死でプレーする。

今年、大逆転勝利を挙げたのは、欧州チーム。

カップ保持を決めるパットを沈めた、ドイツのM.カイマーが18番グリーンで雄叫びを上げ、ガルシアが走って飛びつき、いつもはクールなI.ポールターが涙を流し、R.マキロイがL.ウエストウッドと抱き合い、喜びを分かち合う。

欧州チームキャプテンのJ.M.オラサバルは、目頭を押さえた。

昨年この世を去ったスペインのヒーロー、ヨーロッパのゴルフを世界に知らしめたバレステロスに捧げる勝利だったろう。

 

アメリカの地で屈辱的な逆転負けを喫したアメリカは、次回この悔しさをなんとしても晴らそうとするだろう。二年後が待ち遠しい。

4年後、リオテジャネイロからゴルフはオリンピックの正式種目に復帰する。

噂では個人戦のみが行われるらしい。

だがもしでき得るなら団体戦をやって欲しい。

個人戦の世界的なタイトルはメジャーに任せ、オリンピックでは、団体戦をやってもらいたいと思うのだ。

しかしながら、オリンピックでは個人戦と団体戦は兼ねて行わないという規定があるらしい。例えば、体操競技は最初に行う団体戦で得た個人の得点は個人戦とは関係がない。団体戦と個人戦の得点はリンクしない。

そのルールでゴルフが行われた場合、個人戦と団体戦で少なくとも6ラウンド(例えば、団体戦2ラウンド、個人戦4ラウンド)も必要となり、練習ラウンドなども考えると運営上も選手にも大きな負担となるだろう。

それが個人戦のみになった理由らしい。

だったら「団体戦のみを!」と言うのが私の意見。

サッカーを見ていて思うのは団体戦の素晴らしさ。世界のどこにいても自国の選手達に声援を送り、テレビの前に大勢の人達が集まってプレーに一喜一憂する。

興奮も、喜びも、時として悲しさや辛さも共有する。肩を組み、声を上げ、床を踏み鳴らし応援する。

それが国や地域を代表する団体戦の素晴らしさだと思う。

「康介さんを手ぶらで帰させる訳にはいかない」あの一言にジンときた人々は多かったろう。


これまでゴルフにおける日本選手は、日本対アジアの小さい試合以外そうした機会を持てずにいた。ゴルフファンもそうだった。

このような戦いを経験することで、日本選手もより強く逞しくなると思う。

 

そして何より、私が大声で声援を送り、涙を流してみたいのだ。

2012年10月 2日 (火)|固定リンク