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この特集は、ゴルフプロデューサーでありゴルフキャスターである戸張捷が、国内のゴルフトーナメントはもちろん海外のゴルフトーナメントやゴルフ事情などをお伝えいたします。トーナメントの舞台裏やプロの内緒の話など戸張捷ならではの視点でお伝えする予定です。
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戸張捷のゴルフ特集

まもなく、石川遼くんのツアー2戦目が始まります!

同じプロゴルフ・トーナメントと言っても、男子と女子ではファンの見方、ファンが求める魅力は異なるようです。

女子のトーナメント会場に足を運ぶファンには、競技(=優勝争い)そのものよりも、どちらかというとエンターテイメント性を期待する人が多いのではないでしょうか?

ルックスやファッション、あるいは、若いホープのハツラツとしたプレー。もちろん、そうしたプレイヤーがいいプレーをして、優勝争いに加われば、これ以上ない喜びとなります。

ゴルフに限らず、卓球、バドミントン、ビーチバレー等々、最近観客を増やした女子の競技はすべからくそうした要素が加わったからでしょう。

一方、男子のトーナメントを観戦するファンの多くは、エンターテイメント性というよりも、やはり競技、アスレティックな魅力を堪能したくて来場するのではないでしょうか。

強いプレイヤーたちによる白熱した優勝争い以上に、ギャラリーを喜ばせることはないのでは・・・・。

そして、一般アマチュアが憧れるヘッドスピードの速さとか、途方もない飛距離、アイアンの切れ、スピンが効いてグリーン上でややバックスピンして止まるボール、まっすぐカップに向うアプローチ・・・・・。

そうした、ダイナミックなプレーが、男子トーナメントの何よりの魅力なのです。

昨今、男子ツアーの人気が低迷しているのは、この点でファンに足を運ばせるような、いつもいつも魅力的なプレーを見せてくれる選手がいなくなったからに他なりません。

そこに今年登場したのが、「石川遼くん」でした。

彼の魅力は、ルックスだったり、発言の内容だったり、いろいろあるのでしょう。

しかし、何と言ってもプロのトーナメントに初めて出場した試合でいきなり優勝してしまうという、とてつもない実績が一番の魅力です。

しかも、そのプレーが300ヤードに迫るロングドライブなど、計り知れない才能、将来性を感じさせるものでした。だから、同世代のジュニア達は憧れ、年配の世代にも、機会があれば是非間近に見てみたいと思わせたのです。

その石川君が、今週の”第35回 フジサンケイクラシック”に出場します。

ツアー2戦目で、果たしてどのようなプレーを、あるいはどんな優れた才能を見せてくれることでしょうか。

トーナメントプロデューサーとしては、彼目当てに来場される大勢のギャラリーや報道陣に対する対応など、対処すべき問題は多くありますが、そうした悩み以上の楽しみがあります。

石川君は、競技に出るたびに、一挙手一投足に加え、一言一句もメディアに報じられる大変な立場です。

それでも頼もしいのは、彼はそうした状況を苦とする風もなく、逆に楽しんでいるかのようなことです。

実際これまでも、大ギャラリーにプレッシャーを感じるどころか、「僕を見に来てくれて人に喜んでもらえるよう、バーディをたくさん取りにいきます。」といった発言を笑顔で発しています。

なかには、「メディアから守ってあげるべき」とか、「しばらくは、そっとしてあげるべき」といった声も聞かれますが、(以前にもここで書きましたが)私は何も気にしなくていいと思っています。

例えば、タイガー・ウッズがそうだったように。例えば、宮里藍がそうだったように。

いずれスターになるプレイヤーは、周囲がいかに騒ごうが、干渉しようとしようが、逆に保護しようと考えようが、ほとんど影響されることはない。周囲の騒ぎに関係なく、自分が今すべきことに集中できる人間であり、夢を着実に実現していく人間なのです。

我々は、喧騒の中を力強く成長していく (もちろん、時には挫折も味わうことでしょうが・・・)石川君の姿を率直に楽しんでいればいいのでしょう。

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フェデックスカップ プレーオフを前に

先週、米ツアーではメジャー最終戦、全米プロが開催されました。

その前週のブリヂストン・インビテーショナルで、長女サム・アレクシスちゃん誕生後、初めての優勝、初めてのタイトルに輝いたタイガー・ウッズが「案の定」と言うべきなのでしょう。

全米プロでは、2日目に猛チャージをかけ、あっさりトップに立つと、そのままの勢いで独走。

メジャー通算13勝目。全米プロ4勝目を上げました。

そのタイガーと全英オープンの期間中にわずかな時間でしたが、インタビューをすることができました。

今年の全英オープンでは、2日目のスタートホールでティショットをいきなり引っ掛け、ホール左に走るクリーク(OB)に落とすというミスをしています。

これまでにタイガーには、「予選ラウンドのスタートホールは慎重にプレーする。」というイメージがあったので、そのことを指摘すると、「確かに反省点なので、これから練習しようと思っている。」との答え。

本人にしても、意外な、ありうるべかざるミスだったようです。

そのインタビューでとても印象に残っていることがあります。それは最後に、

「ところで、今回、赤ちゃんの写真は持って来なかったの?」と尋ねたときの彼の表情でした。タイガーはニコーッと、これまでに見たこともないような満面の笑顔になって、

「いや、持ってきてないんだ。だって、サム・アレクシスの写真を見た途端、寂しくなって、家に帰りたくなるからね。」と言ったのでした。

それは、すっかり父親の笑顔でした。

世界最強のタイガーも、娘 サム・アレクシスちゃんの前では、世界中どこにでもいる父親の一人なのでしょう。

ところで、米ツアーは、次戦のウィンダム選手権を最後に、今シーズンから新たに始まったフェデックスカップのレギュラーシーズンをを終えます。

そして、そのポイント上位144選手が、来週から始まる全4試合のプレーオフに進出。

以降は、試合毎に獲得ポイント数によって出場選手が絞られ、最終戦の”ツアーチャンピオンシップ”には、上位30人のみよって争われます。

その上で、最終的にフェデックスポイントを一番獲得したプレイヤーには、なんと1000万ドル!日本円にして、12億円弱もの破格の賞金が授与されるのです。

シーズンを通してのポイント制、プレーオフ制度、そして巨額な賞金・・・・。

シーズン前から開幕直後にかけては、何かかと話題になることが多かったこのフェデックスカップですが、全米オープン~全英オープンとメジャーの現場に行くと、そこではほとんど話題になっていませんでした。

もちろん、同制度の山場はこれから始まるプレーオフでしょうから、本格的な話題になるのもこれからかもしれません。

それでも、メジャータイトルに挑むプレイヤーたちの熱気・緊張感に触れると、やはりゴルフのように長い歴史があって、世界中でプレーされる競技においては、「名誉」以上に選手の”モチベーション”になるものはない、と改めて思い知らされます。

いくら12億円でも、メジャータイトルに勝る”モチベーション”にはならないのです。

フェデックスカップ、つまりPGAツアーが今後このカップに付与すべきは。「名誉」なのでしょう。

それには、同制度に信念を持ち続け、あとは歴史を積み重ねて行くしかないのでしょう。

そうすれば、いずれプレーオフの中で、ゴルフファンなら誰もが口にするような”ドラマ”が生まれ、そこから同カップに対する価値観が変わっていくことも・・・・。

フェデックスカップの成否。その答えが出るのは、まだまだ先なのでしょう。


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全米オープンを終えて一言!

第107回の全米オープンが幕を閉じました。

会場のオークモントCCは、1903年、100年以上も前にピッツバーグ郊外に造られたゴルフ場です。

H.C.Fownes。“鉄”で財をなしたビジネスマンがゴルフに恋をし、「もっとゴルファーに厳しいゴルフ場を造ろう。ミスショットにはそれなりの罰が与えられなければならない。」というコンセプトでこのゴルフ場が生まれたのです。

アルゲニー川沿いの丘陵に、英国のリンクスのようなコースをレイアウトし、しかも高低差が20メートル以上もあるのです。

当初、350個あったバンカーの数は、一時、180個までに減ったが今年の全米オープンのために210個に増やしています。 また、このオープンのために5,000本以上の木を伐採し、オリジナルのデザインに近づけるとともに、運営上のスペースを確保したのです。

全米アマに出場できるくらいのゴルファーだったFownesだが、100年以上も前に、現代に通用するコースを設計したのだから、その先見の明というか、センスには敬意を表するしかありません。

タイガーをして、「オープンのコースで一番難しい。だが、公平である。」と言わしめる。それがこのオークモントCCの全米オープンなのです。

さて、過去41回のメジャーに出場、そして、何と12勝を挙げているタイガーであるが、最終日に逆転で優勝したケースはありません。

そして、今年もその“ジンクス”を破ることができなかったのです。

優勝したのは、アルゼンチンの37歳。A.カブレラ。最終日の今日は、1アンダーでプレーし、トータル、5オーバーでフィニッシュ。後続のプレーを待つ展開でした。

タイガーの18番のバーディパットが惜しくもカップの横を抜けた瞬間、アルゼンチンに初めての、全米オープンのチャンピオンが誕生したのです。

アルゼンチンのゴルフ場でキャディをしながらプロになり、1990年にプロ転向。欧州ツアーを中心に活躍し、3勝を挙げていますが、メジャーのタイトルはもちろんはじめてです。

練習日から毎日、40,000人以上のギャラリーがこのオークモントCCに来場していました。

このハードなコースの中で、世界のトッププレイヤーたちの素晴らしいプレーが繰り広げられていました。(とても苦労していたようですが・・・・・)

今年の全米オープンもやはり、感動的なエンディングが待っていたのではないでしょうか?

来年は、カリフォルニア州のサンディエゴにある、パブリックのゴルフ場。Torrey Pines GC が舞台となります。

さて、今週は”第62回 全米女子オープンゴルフ選手権”が開催されます。

私も明日から会場に入る予定です。


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関東アマを終えて思うこと

日々の報道で、みなさんもご存知のことと思いますが、今年の関東アマは“ハニカミ王子・石川遼”で大変な状況になっていました。

例年は、関係者と出場選手の家族、友人くらいしか観戦していない競技ですが、アマチュアの競技会としては、関東ゴルフ連盟主催の公式競技会です。上位の29名が来月の日本アマチュアゴルフ選手権に出場する権利を獲得することが出来ます。

さて石川君の結果は、ご存知の通り、9オーバーの8位で、日本アマへの出場権を獲得、これはそれなりに立派な成績だと思います。

さて彼に関しての報道について考えてみたいと思います。
1. スポーツと芸能の区別をつけて欲しいのです。
2. 常識をベースに取材をすべきではないのかと思います。

例えば同伴競技者にマイクを仕込んで、声を録音しようとした事や、競技中にヘリコプターを低空飛行させるなど、ゴルファーの立場から考えると非常識にもほどがあるのです。

又、今回の競技会を主催していた、関東ゴルフ連盟のマスコミに対する対応の甘さも、このような問題を起こしたのではないでしょうか?

関東ゴルフ連盟としては、少しでもゴルフの啓蒙になるのであれば、という事で取材を許可し、取材のルールを配布していたようですが、運動記者クラブ及び記者クラブのゴルフ分科会、ゴルフジャーナリスト協会などのゴルフ専門の人間だけに取材を許可し、その他のメディアには、コース内の取材などを許さず、共同会見のみにするなどの「規制」をすることもできたのではないか?もちろん、ここまでの騒ぎは予想していなかったのでしょうが、ゴルフ連盟なのですから主催者としての確固たる姿勢がもう少し見えて欲しかったと思います。

毎日のように、テレビや新聞、そして雑誌等で大きく扱われることは、ゴルフ界にとってとても良いことだと思います。しかし、ゴルフの本質とは逸脱している報道も多く見られました。
この競技会の意味であるとか?順位であるとか?

同じ高校の薗田選手が第1位だったことで、最終日には一緒に共同会見をしていたようですが、薗田選手の報道を全くしないメディアも見られました。
薗田くんも高校3年生で、関東アマを制したのは、とても素晴らしいことです!(それもただ一人のアンダーパー。3アンダーでの1位です。)

アマチュアの競技会とプロのゴルフトーナメントでは、その開催の意味や意義が全く違います。
プロのトーナメントは、主催社のPR活動の一環であったり、テレビ番組のコンテンツとしての意味が大きくあります。

そのために、良い取材をしてもらい、少しでも多くの記事やニュースにしてもらう必要があるのです。また、ギャラリーの方に一人でも多く来場していただき、トーナメントを観戦してもらう意味と必要があるのです。

確かに、今の男子ツアーには、石川遼選手以上に魅力のある選手がいないのも事実なのですが、プロのゴルフトーナメントとは、そういう意味で開催をしているのです。
ただ、優秀なアマチュァ達により経験を積むチャンスを与える為に数名ずつ出場資格を与えるトーナメントも多くなっています。

しかし、アマチュアの競技会は、純粋な「競技会」であるはずなのです。
過剰な新聞報道、テレビ番組での興味本位の取り上げ方、そういうものが必要なのか?どうか?もう一度、考えるべきではないでしょうか?

日本アマでは、今回の関東アマ以上の大騒ぎが予想されます。
日本アマチュアゴルフ選手権は、文字通り、日本一のアマチュアを決める歴史と伝統のある大会です

過去のチャンピオンの名前をみれば、いろいろな事が偲ばれます。
日本のゴルフの歴史が刻まれているのです。

もし中部銀次郎さんがご存命でしたら、石川君についてどんなことを思うか伺ってみたいものです。 きっと苦笑いしながらも、「いやぁ大したもんだね。でもゴルフが分かってくるのはこれからだよ。 でも勝ったことは本当に見事だね。」とでも仰るのでしょうか・・・・・。

いずれにしても日本のゴルフ界の指針を示していく義務のある日本ゴルフ協会が主催する大会です。主催者の厳正なる、競技会運営を期待したいと思います。

私は、石川選手がマンシングで優勝した直後のこのブログで、「彼のこれからの成長を見守る余裕をもって対応していって欲しいと思います。」ということをお伝えしたと思います。
その言葉を、今一度、多くの方々にお伝えしたいと思います。

ヒーロー探しが一つの仕事になっている日本のスポーツ界、石川選手は、まだ高校1年生です、これから先に長い道のりがあるはずです。

周囲の騒ぎを楽しむかのように、平静を保ち、プレーし、インタビューに答える彼の姿は大したものです。

最後に、
過去世界のスポーツ界でどれほど優秀な若い選手たちが、本人の、家族を含めて周囲の勘違い、そしてその時に売れればいいメディア、契約をしたい業界の騒ぎの中でいなくなっていったことでしょう。

浅田真央が15歳だったからオリンピックに出られなかった意味を、もう一度思い出してしまいました。

ただ、本物のヒーローはそんな事の全てを弾き飛ばし、笑い飛ばし、痛快に階段を駆け上って行くでしょう。

願わくば石川 遼君にその星が備わっていますように・・・・・。

どきどきしながら、そうなって欲しいと心から願いながら見守っています。


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不動裕理 優勝おめでとう!

 不動裕理の1年1か月ぶりの優勝は、彼女にとってだけではなく、ツアー全体にとっても大変に意味のある、大きな1勝だと思います。

 もともと「1年1か月ぶりの優勝」で騒ぎになるのは、不動だからこそ。他のプレイヤーなら、「立派なものだ」ということになります。

 どんなトッププレイヤーでも、1年ちょっと勝利から遠ざかることは、よくあること。タイガー・ウッズにしても04年2月から翌05年1月まで、1年弱、米ツアーの優勝から遠ざかり、メディアから「深刻なスランプ」と騒がれたことがありました。その後の復活は、ご存じの通りです。

 しかも不動の場合は、それまで6年連続で賞金女王のタイトルを保持し続けたのです。毎週毎週トーナメントが開催されるツアーで、6年間もトップで居続けるということは、精神的にも、肉体的にも、どれほどの負担があったことか。余人には想像もできないタフな状況だったのでしょう。

 そして彼女は、その間にツアープレイヤーとして目標となることは、ほとんど手に入れてしまいました。すべての国内のメジャータイトル、永久シード・・・・・。新しい目標を設定しづらいなか、戦いのモチベーションを保ち続けることは至難のワザです。いわゆる、精神面の”エネルギー切れ”になったのではと、思われました。

 その状態から再度、優勝争いのポジションに復帰するには、まずメンタル面の建て直しから始めなければなりません。

 おそらく彼女は心から「勝ちたい」という意欲が湧き上がるのを待ち、そこからゴルフを作り直していったのではと推測します。

 ただし、以前のゴルフに戻すのではなく、よりレベルアップしたゴルフを目指したはず。

 その為にはいろいろな試行錯誤があったでしょう。

 クラブ契約をフリーにしたのもその一つ。

 自分が納得できるクラブを選べる環境にしたのでしょう。すべては、一段ヴァージョンアップしたゴルフを手に入れるためです。

 昨年の秋以降、彼女のゴルフは「60台半ばの素晴らしいスコアを出したと思ったら、翌日には70台半ばと崩れる」といったように、安定感に欠けていました。スコアの波が大きかったのです。新しいゴルフがピタッとはまれば爆発的なスコアが出る一方、まだ本当に自分のモノになっていないので、ちょっとバランスが崩れるとスコアも大きく崩れる状態です。そんな--以前の不動と比べると、まったく不動らしくない--ゴルフをしていたのは、試行錯誤の段階にあったから。そう考えると、この1年余という時間は、彼女がメンタル面を建て直し、試行錯誤しながらレベルアップしたゴルフを獲得するために、どうしても必要な時間だったのでしょう。

 優勝した廣済堂レディスでは、不動の顔には勝利に対する意欲を見て取ることができました。そして、うれしかったのは、終盤のホールで--2位以下に5打差をつけ、安全圏にあったにもかかわらず--安全なグリーン中央を狙うのではなく、ピンからグリーンエッジまでの距離の短い方を躊躇なく、果敢に攻めていたことです。そのために最終18番ホールでは、第2打を右サイドのサブグリーン奥にまで外してしまいましたが……。でも、あの攻めの姿勢を見て「昔の不動が戻ってきた」とうれしくなったのは、私だけではなかったはず。

 不動の復活は、ツアーに様々な好影響、好作用をもたらすことでしょう。

 廣済堂レディスでは、最終日同組でラウンドした横峯さくらと阿蘇紀子に、「やっぱり不動さんはすごい、さすが」といわしめていましたが、それは不動のショットだけではなく、プレーの内容にも感心したからのようです。

 不動のゴルフは他のプレイヤーの刺激にもなり、そこから学べることがいっぱいあるのです。それはコース上でも、またコースを離れても・・・・。

 また、ファンにとっても、ツアーに確固たる実力者が戻ったことで、トーナメント観戦がより面白くなったはず。大相撲の横綱と同じで、ゴルフトーナメントにも柱となるプレイヤーがいた方が、ゲーム展開は締まるのです。

 ますます今後の試合の展開が楽しみになってきました。

 そして、不動はまだやっと30歳。当分はツアーを引っ張ってくれることでしょう。


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スポーツには”ワクワク感”が大事!

今年の桜は長持ちしていますね。ゴルフには本当に素晴らしい季節になってきました。私はもうすぐ(4月20日から)はじまる「フジサンケイレディスクラシック(伊東市・川奈ホテルGC)」の最後の追い込みです。

ところで、アメリカの今季、メジャー初戦のマスターズは、今年は例年と少し違う感じがしますね? スコアも伸びてないですし・・・。でも、タイガー・ウッズが3日目を終わって1打差まで上がってきたのは”さすが!”ですね。

さてこの1~2週間、スポーツニュースが取り上げる話題は松坂大輔を始めとする、大リーグでプレーする日本人選手に席巻された感があります。お陰で今年は、マスターズのニュースもちょっと陰が薄いようです。松坂のメジャーデビュー戦での快刀乱麻の活躍ぶりにすっかり抑え込まれてしまいました。それにしても、日本人メジャーリーガーに対するファンやメディアの昂奮ぶりを見て改めて思ったのは、スポーツにとって“ワクワク感”がいかに大事かということです。もちろん“ワクワク感”は人それぞれ、一概に規定できることではありません。ただし、どの競技もグローバル化が進み、誰もが世界最高峰のフィールドの存在を知った今、やはりその世界一のフィールドでトップになることを目標に、そこに向かって一歩一歩力をつけている選手に、多くの人が“ワクワク感”を抱くのではないでしょうか。一方、そうした動きに対し、「国内フィールドが脆弱になり、魅力がなくなる」と、将来を不安視する声があります。果たして、そうでしょうか? 確かに、松坂投手が抜けた穴は小さくありません。しかしそれで、日本球界の力がレベルダウンするかといえば、そうしたことはなく、逆に松坂が大リーグで輝くことで、「次は俺も」と、多くの選手の刺激になるはずです。松坂の大リーグ転進が、国内の若手投手の励みとなり、より高いレベルでの切磋琢磨を促すことでしょう。そんなふうにもたらされたエネルギーの方が、彼が抜けた穴よりはるかに大きいのではないでしょうか。また、ファンにしても、「次は誰がメジャーに挑戦するのだろう」と将来に夢や期待をつなぐはずです。

野球の日本代表監督になった星野仙一氏は、以前にある雑誌でこんな発言をしています。「(日本の選手がメジャーリーグへ流出する現状に対し)FAという権利を使って行くのだから、いいじゃないか。第2のイチロー、第2の松井秀喜を育てるのが我々の仕事なんだから。(球団の監督としては)メジャーからオファーが来るくらいの選手を、何人育てられるかが楽しみなんだ」。巣立った人材の穴を嘆くのではなく、その穴を利用して新たな人材を育てることに目を向けているのです。前日本代表監督の王貞治氏も、自分のチームから井口資仁、城島賢司という主力を大リーグに快く送り出しています。それでソフトバンク・ホークスの人気が落ちたかというと、そんなことはありません。

そこで国内男子ツアーの人気の低迷ですが、その原因は、もちろん丸山茂樹が抜けたからではなく、丸山に続く、米ツアーで活躍する選手を送り出せなかったことにあったと思います。一方、女子ツアーですが、確かに昨年は宮里藍の米ツアー転身で、TV視聴率もギャラリー数も少しダウンしました。それでも、宮里が登場する以前に戻ったわけではありません。女子ツアーに寄せるファンの注目度は相変わらずです。そこには、次々と新しい“ワクワク感”がもたらされているからです。宮里がもたらしてくれたほどは大きくはありませんが、確かな“ワクワク感”があるのです。例えば、来季米ツアーに本格参戦する大山志保に、あるいは横峯さくらに、さらにその下の上田桃子や有村智恵といった選手たちに……。

そして、(前述の星野監督の言葉ではありませんが)そうした世界のフィールドに飛び出そうとするプレーヤーたちの成長を助成してあげるのも、国内ツアーの務めなのではないでしょうか。


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開幕戦のテレビ中継について

先週の毎日新聞の連載でも触れた話ですが、テレビのトーナメント中継に携わる立場としてとても重要な視点だと思うので、改めて書くことにします。

まずは、その毎日新聞に書いた該当部分を転載します。

『ところで、先週の開幕戦のTV中継は、前半は宮里を中心に、ときどき優勝を争う上位3~4選手のプレーを紹介。後半は、最終的にプレーオフに進んだ米山みどりと辻村明須香のプレーに終始する構成だった。

だが、優勝の期待がかかる最終組には、一昨年まで6年連続賞金女王で、今季の復活が注目される不動裕理がいた。久々に上位でプレーする彼女がいったいどのようなゴルフを見せるのか。多くのゴルフファンが気にしていた。にもかかわらず、気になる彼女の途中経過を知るには、開始から20分ほども待たなければならなかった。民放であるから、視聴率重視の構成は当然である。それでも、中継するTV局には、根底にトーナメント振興、ゴルフ振興の思いがなくては中継をあずかる資格はないと思う。たとえ、宮里中心の構成で高視聴率が得られたとしても、ゴルフやトーナメントに内在する面白さ、ドラマ性を伝えることを忘れた中継は、長い目で見ればゴルフ振興のマイナスになろう。そして、そうなったとき誰より悲しむのは、宮里のはずだ。同じトーナメント中継に携わる身として、今回の放送は「他山の石」としたい。』

 結局、この日の放送では最終ラウンドでスコアを大きく崩した不動についてはほとんど触れられることがありませんでした。ゴルフファンの多くは、彼女がいったいどういった内容のゴルフをプレーし、どこが原因でスコアを乱したのか、詳しく知りたいと思われたことでしょう。

 ファンに限らず、不満を持たれた人は多く、他のメディアからも苦情の声が聞かれました。

 米ツアーのテレビ中継は、(メジャー大会などを除き)トーナメントのスポンサーと契約するのではなく、PGAツアーやLPGAツアーとの契約で中継権を獲得します。そのため、テレビ局はツアー全体の魅力や見どころを伝えようとします。つまり、タイガー・ウッズがプレーするトーナメントであっても、成績が振るわなければ、それなりの紹介しかしないということ。

ところが、日本ツアーの場合、テレビ局は各大会の主催スポンサーとの契約(というか、主催スポンサーの提供)で中継を担当します。そのため、ツアー全体の魅力や見どころを見据えるのではなく、その大会に焦点を絞りがちになります。つまり、近視眼的にその大会の視聴率を追求するのです。ですから、宮里藍が出場すれば、彼女中心の構成に。タイガー・ウッズが出場すれば、タイガーの映像に終始した構成になってしますのです。

 確かに、そのほうが視聴率は取れるのかも知れません。

しかし、中継のメディアが本来担うべき役割は、まず競技、つまり優勝争いの内容を詳しく正確に伝えること。そして、ゴルフやトーナメントが元来有する面白さ、ドラマを掬い上げて紹介すること。人気選手の紹介はそのあとにくる構成要素であって、それをメインテーマにしては、最終的にツアー振興、ゴルフ振興の足を引っ張る結果になると思います。

 プロ野球の有識者の間では、イチローや松井秀喜が大リーグに移籍してからのスポーツニュースは、彼ら個人の活躍を伝えるだけでチーム成績や、リーグ全体の面白さをきちんと伝えない内容に疑問の声が上がっています。大リーグ野球の素晴らしさがきちんと伝わらなければ、そこでプレーするイチローや松井の素晴らしさも正しく伝わらないからです。

 宮里藍が出場するトーナメント中継は、常に彼女中心の構成になるというのでは、彼女に与えるプレッシャー、いやストレスは相当なものでしょう。もちろん、それは彼女が望むトーナメント中継のあり方ではないはず。そして、本当のゴルフファンも望んでいることではないと思うのですが、いかがでしょうか?


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クラブに関する新たな規制に関して

 関係者の間では少し前から話題になっていましたが、先月末、R&Aと全米ゴルフ協会(USGA)はクラブフェースの溝の構造について、新たな規制を加える準備を進めると発表しました。クラブフェースの溝の断面は、かつてはV字型でしたが、現在は溝のエッジがより鋭角なU字型になっており、そのためにより大きなスピン量が得られる構造になったとされています。これを、今後、メーカーの意見を聞きながら、溝の断面積を小さくする、あるいはエッジの角度を緩やかにするなどの規制を導入、来年のルール改訂に盛り込む方針というのです(ただし、実施にメーカーの製造が規制されるのは2010年からを予定)。

 R&Aはこの決定に関して、ニュースリリースの冒頭に次のように文面を載せています。

「R&Aは、ドライビング・アキュラシー(日本ツアー式に言えば、ティショットでフェアウェイをキープすること)の重要性を伝統的なものに戻すため、クラブフェースの溝がラフからショットのスピン量にどれほどの効果を及ぼすかを調査、その結果に基づき、ルールの変更を提案することになりました。

  かつてのフェアウェイキープが重視されていた時代に比べると、現在のクラブフェースの溝の構造は、ラフからでも著しく大きなスピン量が得られるようになっています」

これは、つまりこういうことです。「現在のクラブフェースの溝の構造は、以前に比べて、ラフからでも大きなスピン量が得られる構造になっている。そのため、ラフからでもグリーンをとらえられるので、プレーヤーはフェアウェイキープにかつてほど苦慮せず、ロングドライブを目指すゴルフになった」と指摘しているのです。

そこで、R&Aのルール及び用具委員会のディレクターであるデイビッド・リックマン氏は、「R&Aは、今回の決定を行うために長い時間をかけて調査・研究を行った。その一環として、上級者にラフから――特にウレタンカバーの――ボールを打ってもらったときに、どのような溝の構造がより大きなスピン量を得るのか、明らかな立証が得られるまで調査した」と前提で断ったうえで、「その結果、R&Aとしては、ラフから打った場合のスピン量を制限することにより、結果的にフェアウェイキープの重要性を取り戻し、あわせてラフからのリカバリーショットもより難しくなることを望んでいる。これは、ゴルフ本来の(飛距離とスキルの)バランスを再確立するためであり、ゴルフにとって重要なスキルの価値を維持するための方策である」と述べています。

 また、USGAが今年1月に発表したレポートには、「実験の結果、アマチュアの場合、グリーンまで100~200ヤードの距離のラフからのショットが、グリーンに止まる確率はわずか13.1%」とある一方で、「PGAツアーでは、フェアウェイ以外からのショットがグリーンをとらえる確率は49%」であることが示されています。さらに、ある調査によれば、トッププロがフェアウェイ以外から打ってパーオンさせる確率は66%前後もあるということです。つまり、プロはフェアウェイをキープできなくても、全体では半分のプレーヤーが、トッププロでは3分の2が、パーオンさせてしまうのです。

 これでは、ラフが本来果たすべき(ハザードに近い)役割を果たし切れないということであり、ならばプロたちは方向性(ドライビング・アキュラシー)を多少無視しても、飛距離を稼ごうとするのは当然でしょう。

 こうしたプロのゴルフのあり方に、かねてからR&AとUSGAは危機感を抱き、加えられる規制は積極的に導入していこうとしています。ドライバーのシャフトの長さとヘッド容積に対する規制から始まり、スプリング効果、慣性モーメント、そして今回のフェースの溝の構造。さらには、ボールに対する新たな規制も噂されています。実際、両団体はボールの飛距離を抑制する新たな規制の可能性を研究しているはずです。

しかし「より遠くに飛ばしたい」という思いは、いつの時代でも、ゴルファーの本能です。その可能性に“伸びしろ”のまったくない規制には反対ですが、現在のプロゴルファーの飛距離とトーナメントコースのせめぎ合いを見る限り、もはやある程度の制限は仕方ないのかもしれません。

先日、ジャック・ニクラウスは「1995年以降、用具の改良により、ゴルフはもはや私が育ってきたゴルフではなくなった。それは、善い・悪いの問題ではなく、まったく違うものになったということだ。しかし、私はドライバーとウェッジで競われるゲームには、誰もが飽きはじめたと考えている」として、用具の進化に警鐘を鳴らしています。

用具の規制は、今後、どのように展開するのでしょうか。気になるところです。

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ミケルソンらしい負けっぷり。

米ツアーの賞金レースは、先週のニッサンオープンを終えた時点で、1位のチャールズ・ハウエルⅢが、はや201万ドル余、日本円にして2億4000万円ほども獲得する、ものすごい勢いです。この調子でシーズンを終えたら、いったいいくら稼ぐのでしょうか。ご存じのように、今季のPGAツアーはフェデックスカップという、シーズン終了後の破格のボーナス賞金システムもありますから、最終的な獲得賞金額は予想もつかない額になるかも知れません。

 それにしても、チャールズ・ハウエルですが、01年のルーキー・イヤーからずっと“ポスト・タイガー”の一番手と期待されていた選手です。優勝は02年の1勝だけでしたが、次代のスター候補としてPGAツアーのテレビCMに出演したこともありました。

その彼がようやく……、といったところでしょうか。99年以降、タイガー・ウッズとビジェイ・シンの二人によって独占されてきた賞金王の座に、今年は新たな名前が刻まれるかも知れません。

 そのハウエル、今年もソニーオープンとビュイック・インビテーショナルでともに2位と、なかなか勝てない状況が続いたのですが、先週のニッサンオープンで「敵に塩を送ってくれた」のが、フィル・ミケルソンでした。

 最終日、最終ホール(475ヤード、パー4)をパーでホールアウトすれば、2週連続優勝という状況。ミケルソンは、残り約200ヤードの第2打で、なんと8番アイアンを手にしたのでした。

確かに、アドレナリンの作用で飛距離が伸びる状況です。また、舞台のリビエラCCの18番は奥に外すととりわけ難しいグリーンです。しかし、それにしても200ヤードを8番アイアンというのは短すぎます。

案の定、結果は20ヤードほどもショート。そこからのアプローチも3メートルほどショートし、結果、ボギー。そして、先に上がっていたハウエルに並ばれてのプレーオフ、そして敗退でした。

 ゴルフの技量だけで比べれば、ミケルソンはタイガー・ウッズに匹敵する強豪でしょう。飛距離も、小技も、ともに卓越したプレーヤーです。ところが勝負強さという点で比べると、タイガーの場合、いわゆる“勝ち試合”になればほとんどつけいるスキがないのに対し、ミケルソンには終盤の肝心なところで信じられないポカをおかすことがあります。ティショットを80%の力でフェアウェイに落としさえすればいいシチュエーションで、思い切り曲げてしまう。何でもないショートパットを外す、等々。昨年の全米オープンもそうでした。ティショットを、ホール脇のテントにまで曲げてのダブルボギー。ジェフ・オギルビーに、やらずもがなのメジャータイトルを進呈したのは、記憶に新しいところです。

 その“完璧”でないところに好感がもたれ、人気になっているのかも知れませんが、ただただ“歯がゆさ”を感じているファンも多いことでしょう。

 

とはいえ、今年のミケルソンは、身体も驚くほどシェープアップされています。また、ゴルフの調子も良いようです。今季は、タイガーと同様、メジャーに焦点を当ててシーズンに臨んでいるようです。是非、序盤の調子を維持し、今季のメジャーを盛り上げてもらいたいものです。

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順調にオフを過ごす宮里藍に期待

 プロ野球のキャンプが始まり、スポーツ新聞に“球春”の文字が躍る季節となりました。また、米男子ツアーも開幕から1か月がたち、タイガー・ウッズやフィル・ミケルソンといったトッププレーヤーがツアーに戻り、トーナメントも本格的に熱くなってきたようです。

そして間もなく、今月の第3週に米LPGAツアーがハワイで開幕戦を迎えようとしています。国内ツアーの開幕はまだ先なので、ファンの中にはこの米女子ツアー戦、なかでも宮里藍のプレーを楽しみにしている人は多いでしょう。

実は、先月のソニー・オープンの際、現地・ハワイでトレーニングに励む宮里と少し話をする機会がありました。ちょうど某大学のキャンパスで、主に走りこみのトレーニングをしていた時期で、「脚の筋肉が痛くて、もう大変ですよ」と、いつもの笑顔で近況を語ってくれました。

その会話のなかで、とても印象に残ったことがあります。それは、「今年は、どういうシーズンにしたい?」という質問に対して返ってきた、「今年は勝ちたいです」という答えです。

勝利に対する意欲を、ごくストレートに口にした答えですが、昨年はそうした言葉は聞かれませんでした。昨年はシーズンの抱負を「楽しんでチャレンジしたい」といった感じで答えていたはずです。

それゆえ、彼女の「勝ちたい」のひと言には、今年にかける並々ならぬ意欲がうかがえます。昨年一年の経験から、しっかりとした手ごたえも感じているのでしょう。

昨年の開幕戦「SBSオープン」は、宮里は首位から11ストロークも離された49位タイに終わりました。オフもTV番組の収録やCM撮り、様々なイベント等でずっと忙しく、十分な調整ができなかったためでした。そのため、本人も「勝負はアメリカ本土に戻った3月から」と語る状態でした。

しかし今年は、充実したオフを過ごしているようです。開幕戦から、いきなりの活躍が期待されます。米女子ツアーは、昨年から世代交代の大きなうねりが押し寄せています。アニカ・ソレンスタムの年齢を考えると、今年も絶対的な本命のいないシーズンになりそうです。ならば、宮里にもトップの一角を占めるチャンスはあるはず。本当に楽しみなシーズンです。

もっとも開幕戦は、スポンサーが韓国企業なので、優勝争いはやはり韓国勢が中心となりそうです。米ツアーにおける韓国の選手層は年々厚くなる一方。今シーズンも、おそらく、若くてフレッシュな選手が登場するのでしょう。彼女たちが見せるハングリー精神は――自国のツアーはまだ規模が小さく、米ツアーで失敗することはできないという危機感が彼女たちの大きなモチベーションになっているのでしょうが――日本選手もちょっと見習うべきなのかもしれません。


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すがすがしさに魅せられたT.フジカワ君のゴルフ

ソニーオープンから帰国すると、案の定、ゴルフ好きの方々から、タッド・フジカワ君のことを聞かれる日々が続きました。ゴルフファンならきっと、関心を持たれた以上に、応援をしていたのでは? とにかく、愛らしい。ガッツポーズなどの仕種だけでなく、メディアに対する受け答えも、本当に可愛いゴルファーでした。

タッド君は日系4世の父親と3世の母親の間に生まれた16歳の地元ハワイのアマチュア選手。早産のため、生まれたときは体重わずか1ポンドといいますから、500グラム程度の未熟児で、医者には助かる確率は50%前後と言われたそうです。そのために身体が弱く、その弱い身体を鍛える目的で、幼い頃は柔道を習っていました。すると、8歳のときには、その世代の全米チャンピオンになりました。その後、12歳になってゴルフを始めると、これもまたたく間に上達。昨年は15歳で全米オープンの予選を通過して本戦に出場。アメリカでは、ちょっとした話題の選手になっていました。

 今大会はマンデー・トーナメントを勝ち抜いての出場でしたが、2日目に66の好スコアを出して、予選を通過。米ツアーの予選通過年齢で史上2番目の若さ、近代の米ツアーでは最年少での予選通過となったのでした(米ツアーの最年少予選通過記録は50年まえの1957年に作られたもの)。

彼の活躍は、日本でも一部スポーツ紙で大きく取り上げられたようです。もちろん、地元ハワイでは連日、新聞の一面(スポーツ紙ではなく、立派なクオリティ・ペーパー)を飾るヒーローでした。見出しには「フジカワがゴルフの歴史を変えつつある」という言葉が踊っていました。

彼がそれほどの人気を集めたのは、単に16歳のアマチュア、しかも154センチの小柄な体に、あどけなさの残る表情が魅力的だから、というだけではなかったように思います。彼のゴルフには、今のプロたちにないすがすがしさ、見ている者を元気にさせる“何か”があったからだと思います。そして、その“何か”とは、彼が心からゴルフが好きで、その好きなゴルフを目いっぱい競い合える喜びから来ているような気がします。

 彼はインタビューに、「僕はお金のためにプレーしているんじゃない。僕は、自分のペストのプレーができればいいんです」、あるいは「プロに混じってこんな素晴らしい経験ができるなんて、最高の気分です。皆にもこの気分を味合わせてあげたい」と答えていました。そこには、アマチュアといっても将来プロになることを考えているアマチュアではない、純粋にゴルフが好きでプレーしている、本来のアマチュアの姿があったような気がします。

日本にも、上手いジュニアは確かに増えてきました。でも、彼のように、純粋にゴルフが好きで、それゆえ誰もが応援したくなるようなジュニアは、果たしてどれほどいるのでしょうか?

 試合後のパーティで、少し彼と話をすることができました。ところが、その間も大勢の人が彼のもとにやって来ては、並んで写真を撮ることをリクエストしました。最初彼は椅子に座ったまま、それに応じようとしたところ、そばにいた母親が「タッド、失礼でしょう。ちゃんと立って、並んで写してもらいなさい」と注意をしたのです。すると、タッド君はすぐさま立ち上がると、「失礼しました」と一言謝ってから、笑顔でカメラにおさまり、撮影後はきちんの感謝の言葉を述べ、握手をしていました。それは、何十人にも、です。

 そうした姿を、日本のジュニアたちに見せたい。私は、そう思いました。

 なんでも、彼には尾道に親戚がいるそうで、その親戚を訪ねる機会があれば、「そのときに日本でもプレーしてみたい」と言ってくれました。日本でタッド・フジカワ君のプレーが見られる可能性はありそうです。そのときを期待しましょう。


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年末に再度憂うべき出来事

 一年を締めくくろうという時に、またもゴルフ関係者を嘆かせる、「唾棄すべき」所業が明らかになりました。メディアで報じられているので詳しく紹介しませんが、女子ツアーのQTにおいて、若手の某選手がスコアを改ざんしていたことが判明。日本女子プロゴルフ協会は、事実を確認後、すぐに同選手を10年間のプロ資格停止としました。

 正直、言葉を失います。

 ご存じのように、この8月、日本オープンの予選会で、将来を嘱望されていたある若手選手が同様のスコア改ざんを行いました。ゴルファーが自己のスコアを正直に申告しなければ、ゴルフは現在の競技形式では存在しえません。ですから、彼の行為は「ゴルフの存在そのものを踏みにじるもの」として、厳しく指弾され、この出来事は大きな騒ぎとなりました。

そして、単に彼個人を非難するのではなく、そうした選手を生み出した現在日本のゴルフ界の環境、価値観が問い直されることとなったのです。つまり、「ゴルフ関係者、皆が反省すべき事態では」という反応です。その矢先に、またしても……。日本のゴルフの根本的規範が壊れつつあるのでしょうか。

 

かつて日本ゴルフ協会資料委員長も務めた、作家でありゴルフ史家の故・摂津茂和氏の著書『不滅のゴルフ名言集』に、イギリスの新聞に掲載された言葉として、次のような言葉が紹介されています。

「ゴルフを悪く(Worse)したのはアメリカ人だが、ゴルフを最悪(worst)にしたのは日本人だ」

 イギリスのゴルファーにとって、ゴルフをレジャー化したアメリカ人は「ゴルフ文化を歪曲した」という理解なのでしょう。ところがさらに、経済大国となって以降、日本のゴルファーはエチケットやマナーを解さない、最悪のゴルファーと映ったようです。同書には「日本大使館に、日本人ゴルファーお断りの強硬な抗議をしたイギリスのゴルフ倶楽部でも、厚かましいエコノミック・アニマルたちが、日本独特の『コンペ』なるものを催して、盛りたくさんの賞品をもとに、ガツガツしたプレーをした挙句、食堂では傍若無人にワイワイ騒いだのであろう」という一文があり、それゆえに「日本人がゴルフを最悪にしたという皮肉は当たっているのかも」と続けられています。

 私も20年ほど前に、ある若者向け雑誌に同様のエッセーを書いた記憶があります。それはタイのあるゴルフクラブで、日本人のコンペ後のパーティを見かけたときのことでした。当時のタイのクラブです。当然、名門クラブであり、そこに集うメンバーは自国の「ゴルフ文化の担い手」としての誇りを持っていたはずです。そこに、いわば「金にあかした」日本人ゴルファーが我が物顔で、アルコールが入った勢いで大声を発しながら、なかにはベットの現金清算をするといった振舞いを見て、とても悲しく、恥ずかしい思いをしたのです。

 当時も、そしてそれからも、私は機会あるごとに「ゴルフにとって大事なものは何か」を問いかけてきたつもりです。

にもかかわらず、今回のスコア改ざんという、ゴルフにとっては最もあってはならないことが、しかもともに20代の若者によって行われるとは……。当事者はむろん、彼らの指導者は指導の過程でいったい何を教えてきたのでしょうか。

 2000年だったと記憶します。R&Aは「委員会はマナー違反にも罰打を課すことができる」というローカルルールを認める改訂を行いました。それは、R&Aがアジア、アフリカのゴルフ未開の土地に今後ゴルフを普及させるのに際し、エチケット&マナーの浸透が後回しになる事態を恐れてのことと言われています。つまり、ペナルティがあれば、エチケット&マナーを覚えようとするだろうという狙いです。

 エチケット&マナーはゴルフというゲームの大前提です。そのため、ゼネラルの『ゴルフ規則』にはエチケット&マナー違反に対する罰打はありません。それを守れないゴルファーは、いるはずがないという前提があるからです。

 さて、今の日本はどうなのでしょうか。

今回の事態を受け、再度、指導者にはただ技術を教えるのではなく、ゴルフの文化や精神をきちんと教えてもらいたい。そう望まざるを得ません。

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この写真は、今年、浜松町に新築された文化放送の新社屋のスタジオから今年最後の収録前の様子です。


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アジアンツアー

先月、アジアンツアーは07年のツアースケジュールを、まさしく誇らしげに発表しました。そのリリースには、「アジアンツアーは07年、全29試合で賞金総額2650万ドル(約31億円)を超えるという、ツアー史における画期的な年となります」と謳い上げられています。

現在のアジアンツアーは2004年に発足した歴史の浅い組織ですが、3年目の今季も既に全27試合、賞金総額2400万ドルにまで成長していました。それが、中国・アジアの経済成長の勢いをかり、わずか4シーズン目の来季、ついに日本ツアー(全24試合、賞金総額30億2000万円)を追い抜くことになったのです。今後の追加で、最終的に30試合を超えるとの見通しも示されています。

そのため、アジアンツアーのハン会長はリリースのなかで、07年のスケジュールは、アジアンツアーが世界で最も急拡大するツアーとして、新しい時代を迎えたことを宣言するものである。これからは我々のツアーメンバーが、アジアンツアーの内外で素晴らしいパフォーマンスを見せながら、世界のゴルフ界で活躍していくことだろう。アジアンツアーは、世界のプロゴルフ界において注目されるポジションに立った。その結果、今後は世界のツアーに新しい局面をもたらすと信じている」といった、まるで“勝利宣言”のような、自信に溢れた発言が随所に見られます。もちろん07年のツアーイベントには、欧州ツアーとの共催、あるいは欧州と豪州ツアーとの共催イベント――それは、つまり大きなスポンサーのトーナメント――が9試合もあり、その共催のお陰で規模が拡大したことは否定できません。しかし、単独競技でもシンガポール・オープンは400万ドル、HSBC選手権は500万ドルですから、日本のトーナメント規模(今季最高は日本オープンとダンロップフェニックスの2億円)をはるかに凌駕しています。

 半面、パキスタンやカンボジアといったゴルフがまだ普及していない国々でのトーナメントは30万~50万ドル(3500万~6000万円)程度で、この小規模の大会がツアーの半分ほども占めている不均衡、まだら模様の構造は残されています。それでもハン会長は、傘下のアジア各国で万遍なく、なるべく多くのトーナメントを開催し、一般市民にプロのプレーを見せることでゴルフの普及につなげたいのでしょう。そして、それが最終的にツアーの繁栄に結びつくという“戦略”があるのでしょう。

 また、ハン会長は欧州ツアーなどとの共催が9試合もあることについて、「戦略的パートナーとの国際的な協力関係は、スポンサーとプレーヤーがともに大きな利益を得る機会を創造するものとして、依然重要である」として、その有益性を強調しています。ここからは「欧州ツアーとの共催で大きなスポンサーを捕まえることで、ツアーとプレーヤーに余裕をもたらし、その分でゴルフ途上国での規模の小さい大会を維持していこう」という“戦略”がうかがえます。

 

 現アジアンツアーがスタートした04年、日本ツアーとの共催競技・沖縄オープンで来日したハン会長は、ゴルフ関係メディアに積極的に登場し、「アジアンツアーは発展途上なので、日本ツアーとの共催は今後もっと増やしたいし、日本ツアーの支援もお願いしたい」と強く訴えていたことを覚えています。

 それが今や……。寂しいことに、今回のスケジュール発表のリリースには、その沖縄オープンの中止については、一言の言及もありませんでした。

立場が逆転したのでしょうか。もしそうであるとすれば、彼我の差は、中国・アジア諸国と日本の景気の差だけではないのでしょう。アジアンツアーにあって、日本ツアーにないのは、国際的な視野に立った“戦略”なのでは? ハン会長が、欧州ツアーと積極的に共催することで大スポンサーを呼び込んだような……。

 日本はもともと島国で、外交下手、戦略性外交に劣ると言われてきました。日本ツアーも、これまでは目を内向きにしていても生きていくことができました。しかし、これからは国際的なポジションを明確にし、世界との関係を構築しなければ、成長戦略は難しい時代です。例えば、「欧州・アジアンツアーとの強力関係を深め、中国でのトーナメントはすべて3ツアーの共催競技にする」。あるいは、「米ツアーの下部ツアーと位置づけ、米ツアーのシード落ちした選手にはファイナルQTの受験資格を与える替わりに、賞金ランキング上位10位まで米ツアーのシード権を認めさせる」。いずれも日本選手の出場枠が狭まるため、選手側からの強い反発があるでしょう。でも、ツアー上層部に明確なビジョンと戦略があれば、断固とした指導力が発揮されるはずです。

 もともと好況な米ツアーが、フェデックスカップというドラスティックな変革を断行する時代。日本ツアーの停滞がひと際目立つのはなぜなのでしょうか。


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今後のLPGAに一言!

先日、男子ツアーに続いて日本の女子ツアー(LPGA)の来年のスケジュールが発表になりました。寂しい男子ツアーとは違い、試合数は36試合(近未来通信が開催を中止し、アクサ生命保険が新規開催で増減なし)。ツアーの賞金総額は史上最高額の今季を1億円以上上回る28億7820万円となりました。

また、シード選手の平均年齢は、2年前より約4歳も若い、28.96歳となり、世代交代がうまく進んでおり、来季も白熱した戦いが見られるのではないでしょうか?そういう意味では楽しみが多い女子ツアーなのですが、冷静に今のLPGAを見ると心配がまったくないのか?と言うわけではありません。

宮里藍が今年は初めから海外参戦で抜けたものの、横峯さくらや大山志保などの新しいスターが登場し、日本のツアーを支えてくれました。さらに宮里藍も秋の日本女子プロゴルフ選手権から数試合に参戦し、活躍したことも今年の女子ツアーの活況につながったと思います。

今後、アメリカのツアーには大山をはじめ日本のトッププロが参戦していくことになるでしょう。また、今年も活躍していた韓国や台湾などの外国人選手の存在も無視できません。来季の出場権をかけたLPGAのクォリファイングトーナメントでは、上位に8人の外国人選手が入っており、彼女たちもまた、優勝争いに加わる存在だと思います。特に韓国人選手の活躍は、アメリカツアーなどを見てもめざましいものがあります。アメリカの賞金ランキングの上位30位内に12人が入っており、日本でも、ベスト5のうち3人は韓国の選手です。

関係者の中には、外国人選手の出場枠に制限を設けては?という発言をしている人もいるようですが、果たしてそれが正しい判断なのでしょうか?プロスポーツでは、世界の中でいかに戦うか?世界フィールドの中でプレイヤーがその力を発揮し、そのイベントが世界の中で地位を確立していくことが大事なのではないでしょうか?ゴルフだけでなく、野球などもアメリカが世界一のツアーになるのには、それなりのマーケットが作り上げられて、その中でトーナメントやゲームが作られ、そして、世界の中から選ばれたトップのプレイヤーが集まり、結果として世界最高峰のツアーになっていったのではないでしょうか?日本の中に世界レベルのトーナメントが存在すれば、自ずと世界のトッププレイヤーが集まってくるのではないでしょうか?そういうことを考えると、国内で外国人選手を制限するなどということをしては、いつまでたっても世界レベルのスポーツマーケットは確立されないのではないでしょうか?日本人として、日本選手が勝たないと盛り上がらないと思うのであれば、日本選手が本気で戦う姿勢をもっと見せて欲しいものです。締め出して日本国内だけで盛り上がることが本当に良い結果を生むわけはありません。

今のように人気があり、活況を呈している時こそ、日本のLPGAも将来のための方針や、政策を真剣に考えておく必要があるのではないでしょうか。それは男子ツアーの話でも触れましたが、ジュニアの育成であり、ツアーとしての環境作りであり、5年後、10年後のゴルフ界を見据えた政策をしていかないと、数年先に男子と同じ道を歩んでしまう可能性は否定できないでしょう。手遅れになる前に考えてもらいたいと思います。


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男子ツアーについて思うこと!

先日、来年の日本の男子ツアー(JGTO)のスケジュールが発表されました。結果は、5試合減の24試合ということになりました。現在の男子ツアーの状況を象徴するような結果に、予想はしていたものの少し驚きました。

今の男子ゴルフには、強い選手やゴルフの“うまい選手”は確かに以前より増えています。しかし、この強い選手や“うまい選手”だけでは、多くのファンはついて来ないのでしょう。プロスポーツの世界には、強い選手だけではなく、「魅力ある選手」が欠かせないのです。日本の女子ツアーは、宮里藍や横峯さくらという「魅力ある選手」が登場したことで、現在の盛り上がりを見せています。例えば、相撲の世界でも同じことが言えるのではないでしょうか。千代の富士や貴乃花と言った「魅力ある選手」がいた時代と、今のように“強い”朝青龍しかいないような時代とでは、やはり一般に対するアピール度が違います。

また、男子ツアーの現状に対し、いろいろな方面の人々が「選手がだらしない!」等の発言をしているようですが、本当に選手だけの責任なのでしょうか。ジャンボ尾崎や青木功がスター選手として活躍していた時、彼らは、誰かの指示や誰かが作り上げた選手だったのでしょうか? タイガー・ウッズは誰かが作ったのでしょうか? そうではないはずです。スター選手はある土壌、ある環境から登場したのではないでしょうか?